ラインアレイスピーカーの構造と設置
では、ラインアレイスピーカーのフライング構造と設置例について、文章と図解イメージを交えて解説します。
1. フライング構造(吊り下げ構造)
ラインアレイスピーカーの「フライング」とは、ステージ上部のトラスやバトンからスピーカーを吊り下げる設置方法です。
複数のスピーカーモジュールを縦方向に連結し、角度(ティルト)を調整することで、観客席全体に均一に音を届けます。
主な構造要素
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フライングバー(フレーム)
最上段のスピーカーに取り付けられ、上部トラスから吊るすための金具。 -
連結ピン/ジョイント
上下のモジュールを機械的に固定し、角度調整を可能にする部品。 -
ワイヤーロープ/シャックル
安全に吊り下げるための鋼製ワイヤーと金具。 -
安全ワイヤー 万が一の落下防止用の補助ワイヤー。
2. 設置例
(1)大型コンサートホール
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左右対称に2列のラインアレイをステージ左右に吊り下げる
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広い会場ではセンターフィルやサイドフィルも追加
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床面にはサブウーファーを設置して低域補強
(2)アリーナ/スタジアム
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4方向にフライングし、360°カバーを実現
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上段は遠距離用、下段は近距離用の角度設定
(3)固定設備(劇場・体育館)
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天井構造に合わせて常設吊り下げ
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外観の美観や照明との干渉を考慮して配置
3. イメージ図(構造例)
[ トラス ]
│ ワイヤー
┌┴─────────────┐
│ フライングバー │
└┬─────────────┘
│ スピーカーモジュール1
│ (遠距離向け)
│ スピーカーモジュール2
│
│ スピーカーモジュール3
│ (近距離向け)
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