今や主流になっている、ラインアレイスピーカーについて。
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ラインアレイスピーカーとは
ラインアレイスピーカーは、複数のスピーカーユニットを縦方向に直線状に並べた構造を持つ音響システムです。従来のポイントソース型スピーカーに比べ、遠距離への音の到達性と均一な音圧分布に優れているため、特に大規模なコンサートやイベントホール、アリーナ、スタジアムなどで多用されるようになりました。近年では、劇場、ホール、体育館などの固定設備音響システムにも幅広く導入されています。
ラインアレイの特徴
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指向性の制御が容易
上下方向への音の拡散(垂直指向性)を制限し、水平方向には広がりを持たせることで、観客席に対して均等に音を届けることができます。 -
距離減衰が少ない
通常、音は距離の2乗に反比例して減衰しますが、ラインアレイでは近似的に距離の1乗に比例して減衰するため、後方の客席にも明瞭な音が届きます。 -
セッティングの自由度が高い
会場の規模や形状に合わせて、角度を調整したりユニットの数を増減させたりすることで、柔軟な音場設計が可能です。
主な構成
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フライング(吊り下げ)式:トラスやバトンから天吊りされ、ライン状に連結されたスピーカー群。
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グラウンドスタック(床置き)式:ステージや床面に設置される構成で、小~中規模の会場向け。
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サブウーファーとの連携:ラインアレイの低域補強として、専用のサブウーファーを併用するのが一般的です。
固定設備への応用
近年では、可搬型のライブPAだけでなく、劇場、ホール、礼拝堂、学校体育館、企業の講堂など常設設備音響にもラインアレイスピーカーが採用されるケースが増えています。設置後の音響調整やメンテナンスの容易さ、また見た目のスマートさが評価されています。
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