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ライブ音響用ミキサーと、レコーディング・スタジオ用ミキサーの違いとは?

ライブ音響用ミキサーと、レコーディング用ミキサーの違い
― 現場と制作で求められる「音」の考え方とは ―


ライブハウスやホール、イベント会場で使われるライブ音響用ミキサーと、スタジオや自宅録音で使われるレコーディング用ミキサー。
同じ「ミキサー」という名称でも、設計思想や役割は大きく異なります。
Sounds Entertainmentでは、ライブ音響・音響設備設計・レコーディング環境構築のご相談を多くいただきますが、
その中で特に多い質問が、
「ライブ用ミキサーとレコーディング用ミキサーは何が違うのですか?」
というものです。
この記事では、音響初心者の方にも分かりやすく、
またプロ視点でも納得できる内容で、両者の違いを詳しく解説します。
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そもそもミキサーとは何をする機材なのか

ミキサー(ミキシングコンソール)は、
 • マイク
 • 楽器
 • 再生音源
など、複数の音声信号をまとめ、
音量・音質・定位(左右)を調整して最終的な音を作る機材です。
ただし、
 • 「その場で音を出す」のか
 • 「音を記録し、作品として残す」のか
によって、求められる性能は大きく変わります。
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ライブ音響用ミキサーの特徴

 

リアルタイム性が最重要
ライブ音響では、演奏や発声が刻一刻と変化します。
 • ボーカルの声量変化
 • 楽器バランスの変動
 • 観客の反応による音圧の上昇
これらに瞬時に対応する能力が、ライブ用ミキサーには求められます。
直感的でスピーディな操作性
ライブ用ミキサーは、
 • フェーダー
 • EQノブ
 • ミュート・ソロボタン
が物理的に分かりやすく配置されており、
音響オペレーターが「考える前に手を動かせる」設計になっています。
ハウリング対策・音圧管理が必須
会場では、
 • マイクとスピーカーが近い
 • 反響が強い
 • 観客が入ることで音響特性が変わる
といった条件があり、ハウリング対策が極めて重要です。
ライブ音響用ミキサーでは、
 • ハイパスフィルター
 • パラメトリックEQ
 • フィードバック抑制
といった機能が、現場向けに最適化されています。
過酷な現場を想定した耐久性
設営・撤収・移動を繰り返すため、
堅牢性・信頼性もライブ用ミキサーの大きな特徴です。
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レコーディング用ミキサーの特徴

 

音質と解像度を最優先
レコーディングでは、
その音が何年も、何度も聴かれる可能性があります。
そのため、
 • ノイズの少なさ
 • 音の立体感
 • 微細なニュアンスの再現性
といった純粋な音質性能が重視されます。
細部まで作り込める調整能力
レコーディング用ミキサーでは、
 • 繊細なEQ調整
 • コンプレッサー処理
 • パンニングの精密操作
など、時間をかけて音を作り込む作業が前提です。
ライブのような一発勝負ではなく、
「納得いくまで追い込む」ための設計になっています。
DAWとの高い親和性
現代の録音環境では、
 • Pro Tools
 • Cubase
 • Logic Pro
といったDAWとの連携が欠かせません。
そのためレコーディング用ミキサーは、
 • オーディオインターフェース機能
 • マルチトラック同時録音
 • 高精度クロック
など、制作向け機能を重視しています。
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ライブ用とレコーディング用ミキサーの違い一覧

項目 ライブ音響用ミキサー レコーディング用ミキサー
使用目的 会場で音を出す 音を記録・制作する
操作性 即時・直感的 精密・慎重
音質 実用性重視 高音質重視
ハウリング対策 必須 基本不要
使用環境 ホール・イベント スタジオ・自宅
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デジタルミキサーは両方に使えるのか?

 

近年のデジタルミキサーは、
 • ライブ音響
 • レコーディング
の両方に対応できるモデルも増えています。
ただし、
 • ライブがメインなのか
 • 録音・制作が中心なのか
によって、選ぶべき機種・設定・運用方法は大きく異なります。
Sounds Entertainmentでは、
用途・会場規模・将来の運用まで含めた最適なミキサー選定・音響設計を行っています。
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まとめ|目的に合ったミキサー選びが音を決める

ライブ音響用ミキサーとレコーディング用ミキサーは、
同じ「ミキサー」でも役割と思想がまったく違う機材です。
 • ライブ重視:瞬時の判断力・安定性
 • レコーディング重視:音質・再現性
目的を明確にすることが、
失敗しない音響機材選びへの第一歩です。

ライブ音響・音響設備・録音環境でお悩みの方は、
ぜひ Sounds Entertainment までお気軽にご相談ください。

 

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